嘘をつかない

嘘をつかない

4月に入ったらちゃんとブログを書こうと思っていたら,もう4月10日になった.

たぶん食べた寿司が悪かったのと抵抗力が落ちてたせいで細菌性の腸炎にかかって,3月31日から4月4日くらいまで本当に地獄みたいな日々を過ごしてた.

最近はもっと嘘をつかない話をしたいと思った.
嘘というか,なんとなくいい感じに取り繕ったみたいな話ではない話.

セルフブランディングというものが流行っているのか,なんかTwitterやブログとかでいい感じに取り繕って,インターネット上で自分をブランディングする人たちがたくさんいる.
そういう人たちの書く記事をどこか嘘くさく感じてしまう.
書いていることは本当で,もし本心でその記事を書いていたとしても,なんだか綺麗すぎるような気がして,人間っぽさがない.
地方から都会をバカにすればいいネタになるとか,誰もやらなさそうなことやればバズるのではないかとか,ある程度のセオリーができていて,それに乗っかればある程度流行る.
実際汚いことを書いてたり,時には非道いことも書いていたりするのだけど,どれもこれもセオリーが見えるとても綺麗な文章だ.
綺麗なことが良くないという気はさらさらない.
ただそういう文章を読むとどうしても息苦しいような気持ちになって,居心地が悪くなる.

僕はFacebookよりもTwitterが好きだ.
Facebookは,なんか頑張ってることとか,大きな節目とか,グローバルなこととかをみんな書いている.
それこそ「今うんこ漏らしました」みたいな投稿をFacebookで見たことはないし,たぶんしてる人は(もしかしたらいるかもしれないけれど)いないだろう.
それにくらべてTwitterは,思い思いに好きなことをみんな書いている.
平日には夕方に「おきた」とつぶやく学生がいたり,金曜の晩は泥酔してよくわからないことを呟いている社会人が何人もいたり,休日には旅行に行った人たちが写真をあげていたり.
時に,真面目な人たちはTwitterのリプライで議論する.
僕らは好きな音楽を共有したり,可愛い女の子の写真を貼って優勝と叫んだりする.
とてもじゃないけれど綺麗とは言えない.
でもなんかみんなが本当のような気がして,とても見ていて楽しくて,つい自分も本当のことを言ってしまう.

僕は全裸になりたいと思うことがある.
決してなることはないけど,なんとなく全裸になりたいと思うことはよくある.
こうしてポエムのようなものを書きたいと思うこともある.
可愛い女の子の話とかしながらワイワイお酒を飲みたいと思ったり,デザインについて真剣に話をしながらお酒を飲みたいと思うこともある.
意識高い系についてバカにしながら,たまには気になる自己啓発本もあるし,イケてるクリエイターが書いた本をこっそり読んでは,「ふむふむ」と頷く自分もいる.
将来お金持ちになりたいなあとか思ったり,普通に幸せに結婚したいとも思う.

全部本当の自分だ.
どれも嘘ではなくて,なんとなくいい感じに取り繕ったわけでもなくて,ただただ僕という人間を書いた.

こういうことを書くのはとても難しくて,どうしてもポエムと言われたりしてしまう.
今回は自分でもポエムのようなものとして書いているからそう思われても問題はない.
でも世の中には書いた文章をポエムと言われることが嫌な人たちもいて,そういう人たちが自由に文章を書けなくなってしまうのは良くないなと思う.
それは文章に限らなくて,何をするにしても,人にこう思われたくないから自分をどう偽ろうみたいなことはよくある.
きっとある程度はそういう偽りも必要なんだろうけど,もう少し嘘をつかない世の中になってもいいと思っている. 特にインターネットは,法に触れなくて人を傷つけなければとても自由な場所なはずだから.

思ってもないのに「全裸になりたい」と言う必要はないけれど,
もし思っているのなら「全裸になりたい」と言ってほしいなと思います.